北千里動物病院

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更新日 2017-04-08 | 作成日 2017-04-08

膿皮症(細菌性皮膚炎)

膿皮症・・・聞き慣れない病名かもしれませんが、犬の皮膚炎の中では一番多い疾患と言えます。
皮膚に細菌感染が及んだ状況のことを指し、通常かゆみを伴います。
気温と湿度の高まってくる春先から夏場にかけて罹ることが多い疾患です。
ただ、基礎疾患が存在している場合慢性再発性に発症することも多いため、治療をしてもすぐに再発を繰り返す、あるいは治りが悪いといった場合基礎疾患の有無を確認する必要が出てきます。
例えば、糖尿病が基礎疾患として存在し、そこに膿皮症が発症しているような場合がそれにあたります。
また、膿皮症+アトピー、膿皮症+アレルギー、膿皮症+内分泌疾患、膿皮症+デモデックス(皮膚内のダニです)etc・・・といった、様々な複合病態も考えられます。


症状

一番よく見られる表在性膿皮症の場合、毛穴に一致してぷつぷつと赤みがでたり、皮がリング状にむけてリングの内側辺縁に赤みがあり、中央部付近が治癒傾向(時に色素沈着)といった肉眼所見を得ます。
多くの症例でかゆみを伴っており、眠れないほどかゆみに苦しめられているわんちゃんも良く見ます。
細菌感染が深部にまで及んだものを深在性膿皮症と呼びますが、表在性より強い皮膚症状を呈します。時に自己免疫性疾患との鑑別が必要となるほどの症状を見せるものもあります。


検査

視診、症状からの類推、皮膚掻爬試験、抜毛による毛根の観察、皮膚表面の細菌、カビの顕微鏡的確認などを行います。
時に培養検査、基礎疾患の確認のための検査等が追加検査として必要な場合があります。


治療

まずもって、外部寄生虫(ノミやマダニ)がいる場合はその駆除が大前提です。
発見されない場合でも、外部寄生虫予防がきちっとなされている必要があるので、予防・駆除剤の使用をお勧めします。
外部寄生虫をそのままにしておいての皮膚科治療は効果が上がりません。

●抗生物質
膿皮症そのものの治療としては、抗生物質の内服を一定期間継続する事が治療のスタンダードとなっています。
かゆみがある場合はかゆみ止めを併用することもあります。
最近では一回注射すると2週間薬効が持続する抗生物質も利用可能になってきています。

●シャンプー療法
薬効のあるシャンプーを使って体を洗う治療法です。
体質・皮膚状態にあわせたシャンプーを処方します。

●基礎疾患・複合病態の治療
基礎疾患や併発疾患が発見された場合行います。
疾患の内容により様々です。

●外用剤
外用剤は、膿皮症が非常に軽く一部分のみといった限局性の病変の場合適用することがあります。
病変が広範囲にわたるもの、深部に向かうものなどには適用しません。こういった場合は抗生物質の全身的投与が必要です。




実際の症例

最近、皮膚を痒がり続けているとのことで来院されました。


初診時・・毛を刈ってみるとかなり激しい皮膚症状を呈していました。
いくつかの検査を行った上で深在性膿皮症と暫定診断しました。
抗生剤の全身投与、薬用シャンプー療法を治療の基本と据えました。




治療一週間目・・かなり改善しました。
表在性の病変がかなり治癒傾向にあります。


治療3週目・・小さな病変は消滅しました。


治療6週目・・・完治しました。




ちなみにこちらは天疱瘡という自己免疫性皮膚疾患のわんちゃんの写真です。
皮膚生検による病理組織診断で確定した症例です。
膿皮症に似た感じに見えますが、抗生物質では治りません。


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