北千里動物病院

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更新日 2017-04-08 | 作成日 2017-04-08

犬フィラリア症について

犬フィラリア症(犬糸状虫症)は蚊によって媒介される寄生虫病です。
お腹に寄生するタイプの虫と異なり、感染後最終的に心臓(右心室・肺動脈)に寄生する線虫であるため、一度成虫の寄生が成立してしまいますと安易に成虫を駆虫できない状況になります。

このため、フィラリアに罹らせない(予防する)ことが重要です。
フィラリアに寄生されますとその寄生数や位置などによってさまざまな症状を呈するようになります。(下記)





右心室内のフィラリア虫体


犬フィラリア症の症状



・食欲減退、体重減少
・散歩をいやがる。すぐ疲れる
・咳がでる
・毛づやが悪い、痩せてくる
・粘膜色がわるい、貧血
・常にゼーゼー呼吸する。咳がひどい
・お腹が張っている(腹水)
・粘膜が黄色い(黄疸)
・赤ぶどう酒のような色の尿が出る(大静脈症候群)
・虫体迷入による眼症状
・失神
 など

フィラリアの検査

フィラリア感染の有無は血液検査によって分かります。
主に二通りの検査を行います。

血液検査
・フィラリア小虫検査(ミクロフィラリアの検出)
・フィラリア虫体抗原検査

血液検査によってフィラリア感染と診断された場合、次の検査としては胸部レントゲン検査、心臓超音波エコー検査、全血算、血液生化学検査を行うことが多いです。(もちろんオーナーと相談の上すすめる検査です)
これらの検査は、フィラリア症の重症度を確認するためのものです。

超音波エコー検査





拡張した右心房内に認められる虫体
小さな二本線状にみられるのがフィラリア虫体です
(右傍胸骨四腔断面長軸像)
フィラリア症により右心系は拡大されてしまっています。







右心室内にみられるフィラリア虫体(矢印)
フィラリア症のため右心室もかなり拡大しています








肺動脈の拡張がみられます。
肺動脈内にも虫体が確認されます。


LinkIcon当院での心エコー検査について詳しく見る


犬フィラリア症の予防

月に一回だけ投与するタイプの薬が主流です。
投与期間は地域によって異なりますが、およそ5月くらいから開始し、11月末または12月初頭までになります。
子犬の場合を除いて基本的に感染の有無を血液検査で確認のうえ処方します。

フィラリア予防薬とは?

フィラリア予防のお薬(月1回タイプ)を飲ませたら一ヶ月間薬が効き続け、その間ずっとフィラリア寄生から守られていると考えている飼い主さんが結構たくさんおられます。

実際にはその考えは誤りで、月一回タイプのフィラリア予防薬は多くのものが薬効は24時間程度で消滅してしまいます。つまり一日程度薬効が発揮されているに過ぎません。

フィラリア予防薬は駆虫剤の一種です。

たとえば1ヶ月間に100匹の蚊に刺され、フィラリア感染子虫が50匹犬の体内に入ったとします。その50匹のフィラリア感染子虫を月一回薬を飲ませて全滅させてしまうことでその月の予防が成立します。

つまり、フィラリア予防剤は1ヶ月のあいだワンちゃんの体にたまったフィラリア感染子虫を一気に殺滅する薬剤(駆虫剤)なのです。

ただし、投薬間隔の一ヶ月を大きく超えてしまい、子虫が育ってしまうとその後フィラリア予防剤を投与してももはや殺滅できなくなってしまいます。
そういった理由から、一回でも投薬忘れがあると非常に危険なのです。

また投薬終了月も重要です。よく予防剤を10月でやめてしまう方がおられますが、先に書いたとおり、10月の投与は9月から10月までの感染子虫を処理しただけですので、その数日後に蚊に刺されたら、新たな感染が成立してしまうことになります。
ですから、投薬最終月は平均気温が充分下がった11月後半か12月前半が推奨されます。

フィラリア予防薬のトレンドは、消化管内線虫(お腹の虫)をフィラリア予防時に同時に処理する機能を持ち合わせたお薬です。
月一回フィラリア予防薬を飲ませるわけですから、その時についでにおなかの虫も処理出来れば衛生的に非常に有効だという考えに基づくものです。
実際、お腹にわく虫もいまだあとを絶たず、動物病院では日常的に消化管寄生虫の治療(駆虫)を行っている現状があります。
なので、この定期駆虫は非常に有効であると思います。

フィラリア予防薬にはイベルメクチン+線虫駆除剤(ピランテルなど)の合剤というものや、
単剤でおなかの虫の駆虫効果を持ち合わせるものなどが存在します。
実はほとんどのチュアブルタイプ予防剤がこの2剤合剤タイプなのです。

ちなみに当院でメインの予防剤としているのは「ミルベマイシン」という単剤でおなかの虫の駆虫効果を合わせ持つおくすりです。
わざわざ虫下しを混ぜた合剤を使わなくても効果が出るので非常に良い薬です。
また、その安全性の高さも当院採用の理由です。
若齢動物や妊娠動物での安全性が確認されています。
開院以来採用していますが、コリーやシェルティでも安心して処方しております。
いままで明らかな不具合を経験したことはありません。
無味無臭で投与もしやすい特性ももっております。

このミルベマイシンにはチュアブルタイプが販売されていなかったのですが、最近チュアブルが利用出来るようになっています。

これ以外にも、モキシデクチンおやつタイプ、背中に滴下でフィラリア予防可能なセラメクチン滴下型(レボリューション)なども処方しております。
詳しくは当院スタッフにご質問下さい。
※ フィラリア予防薬の価格などについては、診療案内のページを参照下さい。


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