膀胱結石 尿路結石
血尿がでる、尿が出しにくい、ちびちび何回もおしっこ。きばっても尿が出ない犬や猫ちゃんのお話です。
膀胱結石・尿路結石は日常診療でよくみる病気です。
血尿や頻回尿を主症状としてこられる患者さんで発見されるケースが多いですが、飼い主さんが気づかず、別の目的で撮影した腹部レントゲンや腹部超音波検査で偶発的に発見されるケースなどもあります。
結石が尿道に完全閉塞した場合、きばっても尿が出せなくなり動物の状態は急速に悪化します。これを「尿閉」といいます。
膀胱は尿でパンパンになり下腹が固く張ってきます。時間とともに腎機能障害が進行し、尿毒症による食欲廃絶が起きてきます。
こういった状況は、緊急性のある病状ですので一刻も早く動物病院にかかる必要があります。
夜間に尿閉が起きた場合は、朝まで待たず夜間救急動物病院に連れて行くことを強くおすすめします。
膀胱結石は、食餌や飲水によって摂取されたミネラル(マグネシウム、カルシウムなど)が成分となり、尿中の蛋白などと結合して形成されます。
結石ができるメカニズムは未だ完全に解明されていない点もありますが、ストルバイト結石(リン酸アンモニウム・マグネシウム)は細菌性膀胱炎が関与することが分かっています。
膀胱炎ではげおちた膀胱内壁の細胞が結石の核となったり、細菌によって尿素がアンモニアに転換されることでアルカリ尿になり、アルカリ側で生じやすい結石であるストルバイトが発生するというストーリーがあります。
また、水をあまり飲まない動物は常に尿は濃縮状態にあり、結石が生じやすい環境が膀胱内に出来上がってしまい、膀胱結石の危険性が増します。
食餌、おやつ、飲み水に関連する場合もあり、マグネシウムや、カルシウム、リン酸などを多く含むものをたくさん与え続けることも問題となります。
カルシウム強化されたガムやおやつの過給、マグネシウムやカルシウム豊富なミネラルウオーターを水代わりに与えている、無計画な手作りフードなどでミネラル過給問題が生じます。
近年の状況で言いますと、ストルバイト尿石症は減少傾向でそれに代わってシュウ酸カルシウム尿石症が増加してきています。
シュウ酸カルシウム尿石は飲水量や体質に関わっている部分が大きく、一度形成されると溶解できない結石ですので厄介です。
フードを選ぶ場合でもシュウ酸カルシウム尿石症に配慮されたものを選ぶほうが無難かと思われますが、実際問題としてかなり大きな要因は「飲水量」です。
いくら「尿石症対応」を歌っているフードを与えていても飲水量が少なく尿濃縮が強めの犬猫では結石が生じやすいという傾向があります。
尿石症の子には、「いかにうまく飲水させるか」が非常に重要性が高いと思います。
ストルバイトに関しては感染の制圧+尿酸性化(特別食)で結石溶解が可能な場合があります。
最後に代謝の問題で生じる結石もあります。たとえば門脈体循環シャントや肝硬変などでアンモニアレベルがあがってるケースで尿酸塩がみられたり、ダルメシアンなどの特定犬種でみられる結石などもあります。
結石の治療
尿検査(尿沈渣)を行い、状況をみてレントゲン検査、膀胱の超音波エコー検査、尿培養を行います。結石の大きさが一定以上である場合、結石種が結石溶解療法に反応しないタイプのものである場合などは外科的切除の適応となります。
外科的に摘出した結石は基本的に結石分析検査を行います。
結石が小さく結石溶解療法に反応するタイプの場合は、膀胱炎の治療を行いつつ併行して食餌療法(結石溶解食)を行います。
代謝に関連する結石が発見される場合は原疾患の確認に努め、その治療を行い、食餌療法などを併用します。
尿路閉塞の場合
緊急対応です。カテーテルで尿道内の尿石をいったん膀胱に差し戻す処置を行うのが通例です。
麻酔をかけないとうまく行かないケースがあります。
特に猫では麻酔をかけて尿閉解除するほうが安全性が高くスムーズに解除できる事が多いと思います。いたがる猫を押さえつけてカテーテル挿入はかえって尿道損傷のリスクを高めるし、なにより猫がかわいそうです。
麻酔のリスクはありますが、猫の尿閉では殆どの場合で麻酔が必要と個人的には思います。
結石の例
全て摘出後に結石分析をして確定した物の写真です。



ストルバイト結石の例


シュウ酸カルシウム結石(左はシリカ+シュウ酸Ca)

結石症例のレントゲン写真
白く丸く写ってるのが膀胱内の結石です
このようにはっきり写る結石もあればレントゲンで写らない結石の種類もあります。

術中写真
膀胱内に結石が見えます。

ストルバイトと蓚酸カルシウムの複合結石
(上記レントゲン症例)
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